カメラを選んでいく際によく表示で『フルサイズ』と『APS-C』などの表記を目にするんですけど、これって何ですか?
いい質問ですね。
では、今日はその『フルサイズ』と『APS-C』の違いを見ていきましょう。
そもそもフルサイズとAPS-Cって何?
『フルサイズ』や『APS-C』はカメラ本体にあるイメージセンサーと呼ばれるものの名称の事です。
イメージセンサーとは、光を電気信号に変換する部品のことで、カメラ内部では大変重要な部品になります。人間の体で表現すると、レンズは眼球、イメージセンサーは網膜に当たります。
なので、イメージセンサーに傷やほこりがつくと画像に影響が出てしまうのです。
そして、そのイメージセンサーの種類にフルサイズとAPS-Cという大きさがある、という事です。
イメージセンサーの大きさ
イメージセンサーにはサイズが大きく分けて7種類ほどあります。
ちなみに私たちが持っているスマートフォンにもイメージセンサーが入っており、そのおかげでスマートフォンで撮影ができます。
このイメージセンサーが大きくなればなるほど光の情報を多く・広く受け取ることが出来るため、少ない光でも感度良く受光することが可能になります。
イメージセンサーの種類について
イメージセンサーは大きさによって名称を変えています。
今回はフルサイズとAPS-Cの二つを見ていきます。
フルサイズ
銀の輪(マウント)の中に入っている光っているところがイメージセンサーです。フルサイズのセンサーの大きさが約36.0×24.0mmです。
主に、一眼レフカメラ(上級機~中級機)・ミラーレスカメラ(上級機~中級機)に使用されています。
APS-C
センサーの大きさが約23.6㎜✕15.8mmの大きさのイメージセンサーです。
一眼レフカメラ(中級機~初級機)・ミラーレスカメラ(中級機~初級機)に使用されています。
センサーの大きさで何が変わるの?
使われるカメラによってセンサーの大きさが変わっていますが、具体的に何が変わってくるでしょうか?
それぞれのカメラに搭載されているセンサーの大きさの違いを見ていきましょう。
画角が変わる
画角とは単純に説明すると、『写る範囲が変わる』という事です。
フルサイズのイメージセンサーを持ったカメラとAPS-Cのイメージセンサーを持ったカメラを、それぞれ交互にお互いを撮りました。
撮影条件は以下に設けました。
- 撮影されるカメラを同じ位置に置きました。
- 撮影するカメラも同じ位置に設置してました。
- それぞれのカメラを撮影するときに同じレンズを使って撮影しました(canon-EF50mm 1.8STM使用)。
- それぞれのカメラを撮影するときのISO・絞り・シャッタースピードは同じです。
いかがでしょうか?
二つの写真を見比べて同じレンズと同じ距離で撮影していても、撮れたカメラの大きさと背景の写り方が全く異なります。
フルサイズは画角が広く撮影でき、APS-Cの場合は画角がより撮りたいものに近づいているように撮れる特徴があります。
そしてイメージセンサーの大きさの項目では光の受光についても触れていますが、フルサイズの方の背景と比べて、APS-Cの方は黄色くなっています。これはイメージセンサーに入ってくる光の量が少なく、暗くなってしまっているために起こります。
解像度が変わる
解像度とは、簡単に説明すると『データの密度』を表しています。
実は写真や画面はすべて小さな点で構成されています。(テレビやスマホの画面を近くで見ると小さな四角い点が集まっているのがわかると思います。)解像度とはその小さな四角い点が集まっている密度になります。
同じ被写体を同じレンズを使用して撮影したときに、それぞれの画像でボケ感が変わります。
- 撮りたいもの(被写体)の位置は変えていません。
- ぞれぞれのカメラで撮影したときに画角の違いがあるので、同じ画角になるように撮影しています。ぞれぞれのカメラと被写体の距離は違います。)
- カメラ設定はすべて同じにしています。(ISO:1000 シャッタースピード:1/125 絞りF2.8)
- レンズはCanon EF50mmを使用しています。
同じ画角で撮影してみました。こう見るとあまり違いが判らないですね。
では、わかりやすいように画像の文字のところを拡大してみました。
拡大をすると文字の写り方や文字周りの写りの違いが出てきています。
フルサイズは文字がくっきり写っているのに対し、APS-Cは文字が少しボヤっとしているのと文字回りの色が変化しているのがわかります。
これもすべてイメージセンサーの大きさが違うために解像度の違いにも影響が出ているといえます。
諧調が違う
諧調とは、いわゆる『色のグラデーション』の事です。イメージセンサーが大きいフルサイズは、APS-Cに比べて1つの画素当たりの受光面積が広いので、白飛びや黒つぶれを抑えることが可能です。
先ほど使用した瓶の画像も同じ条件で撮影しているにもかかわらず、APS-Cの方が暗く感じませんか?
なので、暗い所でも撮影をする場合はフルサイズのイメージセンサーが搭載されているカメラの方が良いといえます。
まとめ
いかがでしょうか?
『フルサイズとAPS-Cの違い』では、主に内蔵されているイメージセンサーのことについて触れていきました。
- 大きさの違い
- センサーの大きさで変わる写真の写り方
難しいカメラ内部の話になりましたが、一概にフルサイズが良いという事ではありません。
性能面では確かにフルサイズがいい面が多いとは思いますが、その分重くなったり価格が高くなるといったデメリットもあります。まずはご自身がどのようにカメラを使っていきたいかを考えていき、ステップアップしていくこともまたいいと思います。
良いカメラとは自分に合っているカメラの事だと思います。
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