カメラを選んでいるときによく『APS-C機』って表記があるんですけれど、これって何ですか?
それは、イメージセンサーの大きさの違いだよ。
撮り方は変わらないけれど、撮った後の画質が少し違うという方が正しいかな。 初心者はどちらを選べばいいんですか?
『初心者だから』ではないけれど、特に決まっていないんだ。むしろどんな写真を撮りたいかによって変わると思った方がいいよ。今回APS-C機についてふれてみよう。
表記で『フルサイズ』と『APS-C』とあるのはイメージセンサーの大きさの違い
よく店頭やネット販売でカメラの概要を見ると【フルサイズ機】や【APS-C機】の表記が出ています。これは、カメラの核の部分であるイメージセンサーの大きさの表記になります。
フルサイズ機のイメージセンサーの大きさが36×24mm、APS-C機のイメージセンサーが23.6×15.8mmと、フルサイズ機のイメージセンサーに比べると少し小さくなります。
イメージセンサーの大きさが違うことで、画質にも違いが出てきます。
やっぱりフルサイズ機の方がいいんだ・・・と思われるかもしれませんが、すべてそうとは限りません。確かに機能面ではフルサイズ機の方がいいのは確かですが、『その機能は全て必要なものなのか?』、ここが一番重要だと思います。
APS-C機はフルサイズ機とコンパクト機の良いトコ取り
フルサイズ機に比べると小さい
APS-C機の特徴は、フルサイズ機に比べると小さいところが挙げられます。
見た目はそんなに大きさは変わらないように見えますが、持ってみると重さや持ち手の幅など違いがあります。特に女性は長時間重いものを持つにしても体力的に厳しいこともありますので、フルサイズ機が厳しい場合もあります。
そんなときに重宝します。
小さくてもコンパクト機より画質がいい
フルサイズ機の画質はいいけれども、持ち運びは大変・・・。
でも、持ち運びだけを重視するとコンパクト機が最適です。ですが、コンパクト機は本体も小さいですから、その分中に入っているイメージセンサーも必然的に小さくなります。
コンパクト機カメラは簡単に持ち運びができ、気軽に写真を始める人に向いているといえます。 なので、コンパクト機のように持ち運びができてフルサイズ機のように画質がいいもの・・・となると、APS-C機はどちらも兼ね備えている機種という事になります。
APS-C機が向いている人の特徴
明るい所での撮影が多い
カメラを持ったらいろんなものを撮りたいと思うのは、ごく自然なことだと思います。
風景・ポートレート(人撮影)・スタジオ撮影・夜景・天体・水中・野生動物・マクロ・人工物写真など・・・。
たくさんある被写体の中でも、特に自身が撮りたいものが出てくると思います。その撮りたいものによっても向いているカメラ・そうでないカメラがあります。
カメラとは光を使って撮影するものになりますので、明るいところの撮影はフルサイズ機・APS-C機・コンパクト機と撮影には支障がありません。
大きく変わってくるのは、光が少ない所の撮影や過酷な撮影環境になった時になります。
特に一番わかりやすいのは暗い場所での撮影が入ってくるときです。
イメージセンサーは光を受け取りやすくなっているので、イメージセンサーの大きさによって受け取る光の量は変わってきます。つまりはイメージセンサーの大きさが大きいほど光が少ない所の撮影には比較的強いという事になります。
なので、イメージセンサーが小さいコンパクト機やAPS-C機はフルサイズ機に比べるとどうしても劣ってしまうのです。
持ち運びにストレスを感じにくい
これは実体験です。
初めに買った機種がAPS-C機でした。
当時レンズの選び方も知らなかったので本体とキットレンズ2本を一緒に購入しました。持ってみてもそんなに重さも気にならず、小さいのでちょっと遠出のお出かけにもレンズ2本持っていくのも余裕でした。
ある程度APS-C機に慣れたころ、画質が気になりだして思いきってフルサイズ機を購入しました。APS-C機を手放そうかとも思いましたが、そのまま手元に置いたままにして、フルサイズ機の本体とレンズと別々の購入にしました。当然価格も一気に上がります・・・。
初めはちょっと遠出でもフルサイズ機を持っていきました。当然APS-C機よりも撮れる画像はきれいで機能も使いやすいので気に入っていました。
ですが、ある時を境に急にカメラを持っていくことに苦痛を感じ始めました。
ちょっとの遠出なのに、疲労を感じるようになったのです。
フルサイズ機の本体はそんなにAPS-C機と大きさが変わらないのですが、大きく変わったのがレンズの重さだったのです。
フルサイズ機のレンズはボケ感やより遠くを撮るためにたくさんの内部レンズが入っています。それがどうしても重くなってしまうのです。望遠ができるレンズになると1㎏を余裕で超えます。
簡単に撮影がしたいのに、帰ってきた後の疲労感とそれを苦痛と感じ始めたため、今まで通りにちょっとした遠出のときはAPS-C機に戻しました。するとそんな苦痛と疲労感はなく快適な撮影ライフを送れるようになりました。
その後フルサイズ機は撮影のお仕事を中心に使用するようにしています。
フルサイズ機より価格が安い
APS-C機をおススメする理由として、価格も重要と思います。
フルサイズ機の本体は安くても20万以上~、それに比べてAPS-C機は種類にもよりますが安いもので10万円前後から購入が出来ます。なので、とにかく撮影にチャレンジしてみたいと思ったらAPS-C機からスタートしてみて、慣れてきたらフルサイズ機にステップアップするといいと思います。
写真関係の仕事で使わない
趣味としての撮影であれば、画質にこだわる必要はなくAPS-C機やコンパクト機でも十分です。
もし画質が必要になる仕事ならば、APS-C機はお勧めしません。フルサイズ機を購入すべきです。
画質が必要になる撮影になるのは、印刷する必要が出てくるためです。
特に学校アルバムのような思い出に残るものを作成する、看板で使用するイメージ写真を撮る、写真のデータを販売するとなるとどうしても画質は必要になってきます。
自分の趣味以外で使用する場合はフルサイズ機を持つ方がいいですが、そういうことは考えていないのであれば、APS-C機でも十分撮影を楽しめます。
まとめ
いかがでしょうか?
よくフルサイズ機とAPS-C機はどちらがいいですか?と聞かれることがあるのですが、これについてははっきりとした答えは出せません。
それは使う用途や使う人が『今後どうしていきたいか?』によって変わってくるからです。
まずはカメラを触ってみたいという感じであれば、コンパクト機でも十分な働きをしてくれます。
APS-C機は
- APS-C機はフルサイズ機とコンパクト機の良いところ取り
- 小さくてもコンパクト機より画質がいい
- 明るい所での撮影が多い
- フルサイズ機より価格が安い
- 写真関係の仕事で使わない時におススメ
です。
フルサイズ機とAPS-C機で迷う場合は、上記の内容を自身に問いかけてみてから選んでみてもいいのかなと思います。
カメラを始めてみたいと思ったすべての人が、楽しめるカメラライフを送れると嬉しいです。
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